酷暑の大阪の夏を過ごすたびに札幌の心地よい夏が懐かしい。木立の間を吹く風はいつも爽やかだ。
北海道大学歯学部
札幌駅北側に甲子園球場46個分の広さを誇る北海道大学札幌キャンパス。そこから南へ徒歩10分の北海道大学植物園を今回お薦めしたい。
北海道大学植物園博物館
ハルニレなどの巨木が立ち並び、最低限の整備のみなので、北海道の原生林を散策する雰囲気が味わえる。かなりの確率で、走り回る野生のエゾリスに出会うこともできる。研究目的のこじんまりとしたこの植物園は日本で2番目に古く、札幌農学校時代の風情が漂う重要文化財の付設博物館には北海道の動物、鳥類、海獣の剥製が数多く展示されており圧巻だ。とりわけ日本初の南極観測越冬隊に随行した樺太犬タロを往時の勇姿のまま観ることができる。(タロは帰国後、余生をこの園で過ごした後、この場に展示されている。一方ジロは東京の国立科学博物館で展示されている)
樺太犬タロ
散策の後は、札幌駅に向かう道すがら「六花亭札幌本店」のカフェで一息つくのが上策だ。駅や空港にはない限定品も買えるので大阪への土産はここで買うに限る。
昨夏、久しぶりに大学周囲を巡ってみた。北大は学生の7割が道外生なので、独り暮らしの学生向け飲食店が多い。四半世紀前、学部、大学院時代に通った店も健在だった。
まずは「クラーク亭」。
歯学部近くの北条門を出てすぐにある洋食屋だ。今もライス大盛りは無料、120円の追加でチキンカツや唐揚げがトッピングできるサービスも昔のままだった。大学院時代、附属病院での診療終わりにここに駆け込んで、壁一面の漫画本からお気に入りを取り出し、読みながら空腹を満たしたものだ。
続いて「ププリエ」。
歯学部最寄りの地下鉄北条駅から徒歩3分、フランス語でポプラを意味する洋菓子店だ。入学当初、同期の女子学生に勧められ通い始めて以来、試験終わりなどに自分へのご褒美に看板商品のチョコレートケーキを買ったものだ。
この日、久々に立ち寄り、大阪から来たことを告げると、「北大生だった方が遠方からたくさん来てくれます」とのこと。自分と同じくしつこすぎないチョコレートの、しっとりしたまろやかな味わいを忘れられない人は多いようだ。この日もホテルに買って帰り、3つをぺろっと頂いた。元祖”スイーツ男子”の面目躍如だ。
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