***「ODC GOLF倶楽部」からクラブやボール等をお安く購入いただけます***
↑ こちらをクリックください ↑
夢に向かってひたむきに努力を続ける選手が、ゴルフの基本をレクチャー。初心者ゴルファーはもちろん、ベテランゴルファーも基本に立ち返ることで、壁を乗り越えることができるはず!基本をマスターして迷宮を抜け出しましょう!
ミスショットの改善 ~アプローチのミス編~
みなさん、こんにちは。西田茉楓です。今回の誌上レッスンでは、スコアメイクのカギともいえるショット、アプローチショットのミスについて解説していきたいと思います。いくらドライバーが思い描いたような弾道で飛距離が出せても、グリーン周りでミスをしていては、せっかくのビッグドライブもスコアにつながらないですよね。それほどポイントとなるのがアプローチショットの正確性です。でも、アベレージゴルファーの方の多くがここ一番の重要なシチュエーションで、力が入ってミスをする・・・・それがアプローチショットではないでしょうか。アプローチショットには、ロブショット、ピッチショット、ピッチ&ラン、チップショットというようにシチュエーションに合わせて、弾道の高さを打ち分ける技術が必要です。でも、そんな技術以前に、いかにミスをしないか、ということが重要です。
今回はプレッシャーのかかる場面ほどついやってしまう、アプローチショットのざっくり、トップのミスショット、そして距離感について解説していきます。このレッスンを読んで、自信を持ってアプローチとショットに磨きを掛けましょう!
アプローチのざっくり、トップのミス
■アプローチショットで手打ちは禁物!アマチュアの皆さんのアプローチショットを見ていると、ミスをしている方の多くが同じ動きをしているように思います。それは、距離が近いがためについ「手打ち」してしまっているミスです。飛距離を出す必要もありませんし、手打ちでもボールにクラブをヒットさせることは可能ですよね。でも、手打ちだとボールにクラブフェースを正確にインパクトすることができず、ボールの手前にクラブヘッドが落ちればざっくり、ボールを直接打ってしまうとトップにもなります。
アプローチショットほど簡単に見えて、実際は難しいショットはありません。それくらい奥が深くて、ミスも多いショットだといえます。基本と正しい打ち方さえしっかりと覚えれば、きっとミスも減るはずです。まずは基本から覚えましょう。


■アプローチショットのポイントは「右手」
アプローチショットのアドレスの基本はハンドファースト。つまり、クラブヘッドより手が先に目標の方向にある状態です。ハンドファーストで構えておくことで、インパクトでもハンドファーストの形をキープでき、インパクト時にヘッドの入射角が安定し、ボールがフェースに乗ってスピンも入るわけです。ただインパクトでもハンドファーストの形をキープでき・・・とは言いましたが、形をキープするには右手首が重要です。アドレスでつくった右手首の角度をキープしたままの状態でクラブヘッドを下ろさなくてはいけません。
スイングのイメージはダウンブローです。ダウンブローとはクラブヘッドがスイングの最下点へ向けて下りてきている段階でインパクトを迎える軌道のことを言います。そしてクラブフェースはややオープンに構え、ボールはセンターより右側にセットします。ただしダウンブローを意識しすぎてはいけません。なぜならボールをセンターより右側にセットすることで、意識しなくてもダウンブローのアプローチショットになるからです。右手首の角度をキープしたままバックスイングに入り、そのままダウンスイングで下ろすだけです。ここでリストターンして右手首の角度を変えてしまうと、ざっくりやトップになる原因となってしまいます。リストターンをしては安定したストロークにはなりませんので、短い距離でもアドレスで形をつくった右手首の角度をキープしたまま、ボディターンでストロークしていきましょう。



■インパクトでの急ブレーキは禁物
またアプローチでざっくりとなる原因として、インパクトで急ブレーキをかけてしまうというのもあります。これは先ほどの手打ちとも関連するのですが、アプローチの距離感を手の振り幅で調整しようとしてしまっているケースです。例えば20ヤードの距離をイメージし、ボールを打つ前に入念に素振りをして振り幅を確認します。いざ、アドレスに入りボールを打とうとしてテークバックした際、つい力が入ってしまい「あっ、振り幅が大きい!」とダウンスイングで力を緩めてしまうわけです。こうなると、自分の思った場所にクラブヘッドを落とすコントロールもできなくなり、スイングに急ブレーキをかけざるを得なくなります。急ブレーキをかけてしまっては、本来の軌道から外れてしまい、大半はクラブヘッドがボールの手前に落ちて、結果はざっくり・・・となってしまいます。
ダウンスイングでは、引力に引っ張られ、加速しながらインパクトを迎えるのがごく自然な動きです。ダウンスイングで意識的に急ブレーキをかけるということは、振り子運動を急に止めてしまうということ。これではまともにインパクトを迎えることはできませんよね。

■サンドウェッジのバンスを使ってアプローチすることで、ざっくりやトップを防ぐことができる!
グリーン周りでサンドウェッジを使ってアプローチすることがあると思います。これは決して悪いことではありませんが、ただざっくりやトップで悩んでいる人の多くが、サンドウェッジの特性を理解されていないように思うのです。サンドウェッジのリーディングエッジ(刃の部分)をボールと芝のわずかな隙間に入れてクリーンに打とうとする・・・これは非常に難易度の高いテクニックです。ボールと芝の微妙な隙間にリーディングエッジを入れる腕前をお持ちなら、ざっくりやトップなんてしないはずですよね。でもサンドウェッジの特性を理解されていないがために、そんな難易度の高いショットにチャレンジされているわけです。特性を知っていれば難しくないショットなのですが、それを敢えて難しく考え、1センチのズレでざっくりやトップになってしまうショットにチャレンジし、さらに緊張感を高めてミスを犯してしまう・・・悪循環ですよね。
サンドウェッジの特性、それはバンスです。バンスを使うことで簡単に寄せることができるようになるのです。バンスというのはソールの出っ張りのことです。クラブのシャフトを垂直にした時にリーディングエッジからソールの張り出した部分のことを言います。このバンスがざっくりやダフったりしてもソールを滑らせたり、バンカーでは砂にヘッドがもぐるのを防ぎボールを出しやすくする役割をしているのです。バンスを利用するため、リーディングエッジから入れるのではなくてボールの手前からバンスを滑らせる、それがサンドウェッジでの正しいアプローチと言うわけです。ボールの手前にヘッドを入れるなんて、それこそざっくりになってしまうのではないか・・・そんな風に思われる方もおられるかと思います。
答えはもちろんノーです。バンスの形状を見ると底が丸くなっていますね。丸くなっているため、地面に引っかかることなく、芝の上を滑ってくれるのです。この滑りを利用するわけです。ですからクラブヘッドを落とす場所もボールの数センチ手前から。細かく何センチ手前なんて言いません。大まかでいいのです。これだけで緊張感がほぐれ、リラックスして打てますよね。よりバンスを滑らせたいなら、さらにフェースを開いて構えてください。フェースを開けばソールの面がもっと広く使えるようになり、よりバンスの効果を得ることができます。はじめは違和感があるかと思いますが、アドレスで構えた時にフェースが上を向いている状態をキープするイメージでテークバックし、ダウンスイングでも同じようにフェースが上を向いているようなイメージを保ったまま、ボールの手前の地面にコンタクトさせるような感覚です。これさえ理解しておけば、ざっくりやトップを防ぐことができるはずです。

■アプローチの距離感が合わない・・・
アプローチの距離感というのは誰しも持つ課題ですね。ゴルフのスコアの6割は100ヤード以内のショットと言われています。それくらい大事なシチュエーションですが、距離が合わず悩んでおられる方も多いのではないでしょうか。距離感で悩んでおられる方の大半が、距離感は感覚で出すと思っておられるようです。もちろん感覚も必要なのですが、もっと必要な要素があるのです。距離感を感覚で出そうとされている方の多くが、インパクトの強さ、加減で距離を調整しようとしています。ゆっくりとテークバックしているにも関わらず、ダウンスイングで急にスイングを加速させる。これでは一定の距離感は掴めません。同じように手首をこねて手首で距離を調整しようとする人もいますが、これも距離感はつかめません。
大事な要素というのは、スイングのリズムを一定にして、振り幅で距離感をつくるということです。スイングのリズムを一定にすると同時に、打ちたい距離に合わせてスタンスの幅も変えましょう。打ちたい距離が短ければスタンス幅も狭く、距離が長ければスタンス幅を広めにとります。
グリップの握りも同様で、距離が短ければグリップを短く握り、距離が長ければグリップを長く持ちます。ボールのポジションは、打ちたいボールの高さなどにもよるのですが、基本は体の真ん中です。こうして正しいアドレスをつくり、スイングのリズムを一定にし、手首をこねたりしなければ、自然に距離感を掴めるようになるはずです。
■練習場でアプローチの距離感を掴む
距離感は振り幅でつくると言いましたが、では具体的にどのようにしてその感覚を磨いていけばいいでしょうか。
実は打球練習場でも磨くことができるのです。打球練習場の大半が、フィールド上にヤード、ヤードなどの距離表示があるはずです。この距離表示を基準にして練習するだけです。単純に距離感を掴むために同じ距離を繰り返し打つだけでもいいのですが、それに慣れてくれば、目を閉じて打ってみてください。正しいスイングができていれば目を閉じたままでも、しっかりバンスを使って打つことができるでしょうし、振り幅で打ちたい距離を調整できるはずです。ボールを打った後は目を開けて、実際の弾道を確認してください。目を閉じることで感覚が研ぎ澄まされ、振り幅で距離をつくることに集中できるはずです。
■コースでは歩測して打つ距離を掴む
では実際にコースでは、どのように距離を把握すれば良いでしょうか。アプローチショットしたボールをどこに落とし、どのように寄せるかのイメージです。ヤードくらいの距離は、実際にグリーン上まで確認するのはスロープレーにつながりますから、とにかくピンを狙っていきましょう。
ですが、30ヤード以内の短い距離ならスロープレーにならないように注意しながら、グリーンまで歩測し、どこにボールを落とすべきか確認してからアプローチショットに挑んでください。30ヤードの距離とはいえランもある程度計算しなければいけませんので、弾道のイメージを膨らませて振り幅を調整してください。
歩測して、しっかり自分のイメージした距離を打てるようになれば、スコアも大きく変化するはずです。
*****Profile*****
西田 茉楓(にしだ まひろ)
1999年11月11日生まれ。大阪府出身。小学5年生の時に初めて女子ツアーを観戦した際、出場していた有村智恵プロに憧れ、12歳から本格的にゴルフを始める。高校には、当時強豪校として知られていた大阪商業大学高校へ進学。怪我に悩まされ思うような成績を残せなかった時期もあるが、2017年の関西女子アマチュアゴルフ選手権では上位に名を連ねた。 2018年高校卒業後、19歳でサードQTへ進出。アグレッシブなプレーでひとつでも多くバーディーを取ることが持ち味。