基本をマスターすることこそレベルアップの最短ルート!

夢に向かってひたむきに努力を続ける選手が、ゴルフの基本をレクチャー。
初心者ゴルファーはもちろん、ベテランゴルファーも基本に立ち返ることで、壁を乗り越えることができるはず!
基本をマスターして迷宮を抜け出しましょう!

今回のレッスンは「100ヤード以内のアプローチショット編」


■100ヤード以内のアプローチショットの極意
 皆さん、こんにちは、中西 風香です。
今回はスコアを大きく左右する重要な距離である100ヤード以内のテクニックに絞ってレクチャーしていきます。
 ゴルフにおいて、100ヤード以内のアプローチショットは、スコアメイクにおける最も重要なシチュエーションのひとつです。この距離帯は、確実にピンに寄せるための精度と距離感が求められます。女子プロゴルファーで飛距離があまり出ない選手は、この100ヤード以内のショットを得意としており、緻密な技術と状況に応じたアプローチを武器にトーナメントを戦っています。この距離帯のショットを制することは、アマチュアゴルファーの皆さんにとってもスコアアップに直結することは言うまでもありませんよね。
 今回は、その具体的なテクニックを、私独自の視点でお伝えします。





■距離感を養うことが最も重要
 100ヤード以内のショットで最も重要な要素は、何と言っても正確な距離感覚です。この距離帯ではフルスイングは使わず、距離に応じて適切なクラブを選び、力加減を調整する必要があります。例えば、50ヤードのショットを打つ際にはサンドウェッジを使用し、力を7割程度に抑えて打つ方法が有効です。また、アプローチウェッジで5割程度のスイングを使う場合もあります。どちらも、ボールの飛距離を正確に調整するための技術です。
 この距離感を養うためには、練習場での反復練習が欠かせません。特に、30ヤード、50ヤード、70ヤード、90ヤードといった具合に、20ヤードごとの距離感を体に刻み込んでいくことが有効です。最初は、同じ距離を最低でも20球は続けて打つことをお勧めします。これにより、距離ごとのスイングの大きさや力加減が自然に身についていきます。
 さらに、さまざまな状況(風や傾斜など)を想定した練習を重ねることが、実戦での対応力を高めることになります。


■正しいアドレスとグリッ
 100ヤード以内のショットでは、アドレスの安定性も非常に重要です。アドレスは、両足のスタンスはやや狭めに設定し、ボールの位置は中央より少し右寄り(右利きの場合)に構えると良いでしょう。このようにセットアップすることで、ボールをダウンブローで捉えやすくなり、ショットの精度が向上します。アドレス時には、軽く膝を曲げて、体重を少し前に乗せる感覚を意識すると、より安定したスイングに近づきます。 

 グリップについては、クラブを少し短めに持つことがポイントです。これにより、スイングのコントロールがしやすくなり、より繊細なショットが打てるようになります。グリップ圧は、1から10の強さで例えると、約4程度の軽い力加減が最適です。グリップを強く握りすぎると、手首の動きが制限されてしまい、ショットが硬くなることがあります。逆に緩すぎても安定性に欠けるため、適度な力加減を心がけましょう。


■フォロースルー
 フォロースルーはゴルフスイングにおける非常に重要な要素のひとつです。多くのアマチュアゴルファーは、特に短いショットを打つ際にフォロースルーを省略してしまう傾向にあります。しかし、これは実は大きなミスを引き起こす原因となることがあります。たとえ短いショットであっても、スイングを完全にフィニッシュまで通すことが重要です。フォロースルーをしっかりと行うことで、ボールに安定したスピンを与えることができ、特にグリーン上でのボールの転がりをコントロールしやすくなります。さらに、フォロースルーは正しいインパクトを作り上げるために必要不可欠です。スイングがスムーズに終わることで、体のバランスを保ちながらボールに力強い打撃を与えることができ、その結果、より正確なショットが打てるようになります。
 また、フォロースルーを意識することは、ゴルフスイング全体のリズムやテンポを保つためにも役立ちます。スイングの動きが一貫して流れるようになり、体の各部分が連動して動くことで無駄な力みを無くし、より効率的なショットが可能になります。ゴルフは繊細なスポーツですから、些細な動きがショットに大きな影響を与えます。フォロースルーをしっかりと取ることによって、ショット後の体の姿勢も安定し、次の動作への準備が整います。


■ライと風の影響への対応
 アプローチショットでは、ライや風の影響も重要な要素です。特にラフからのショットは多くのゴルファーにとって難しいものですが、コツを押さえることで精度を高めることができます。ラフからのショットではクラブと芝の抵抗が大きいため、強めのインパクトを意識し、ボールをしっかりと捉えることが必要です。芝が厚い場所ではロフトの立ったクラブを選び、やや急角度でクラブを振り下ろすことで、クリーンなインパクトを得やすくなります。
 また、風の影響もアプローチショットにおいて重要な要素です。アゲインストの風の場合は、通常よりも1番手上のクラブを選び、やや抑えめのショットで打つことをお勧めします。逆にフォローの風の場合は、1番手下のクラブを使い、ボールを低く打ち出すことで、風の影響を最小限に抑えることができます。風向きや強さをしっかりと把握し、それに合ったショットを打つことが、精度の高いアプローチショットにつながります。
 低い弾道を打つには、ボールの位置を少し後ろに置くことで可能となります。具体的には、ボールをスタンスの中央よりやや右側(右打ちの場合)にセットすることが効果的です。これにより、クラブのフェースが少し下向きに当たり、低い弾道が出やすくなります。
 また、スイング時にはグリップを前方に持っていき、手首を少し早めに使うことで、ハンドファーストの状態を作ることが重要です。この方法でクラブのロフトを減少させることができ、結果的に低い弾道を実現できます。さらに、クラブフェースを少し閉じて打つことで、ロフトを減らしてボールを捉えるように調整します。ただし、フェースを閉じすぎるとフックボールになってしまう可能性があるため、加減を調整することが大切です。






■グリーンのコンディションに応じたアプローチ
 グリーン周りのコンディションに合わせてショットを変えることも非常に大切です。例えば、硬いグリーンの場合は、ボールを止めやすくするためにロフトの寝たウェッジを使い、スピンをかけやすくすることが求められます。逆に柔らかいグリーンでは、ロフトの立ったウェッジで少し低めの弾道で打ち、転がりを利用したアプローチを行うと良いでしょう。どのようなグリーンコンディションであっても、ピンの位置や風、傾斜を考慮したショット選択が必要です。


■ミスを防ぐための基本
 100ヤード以内のショットで最も避けたいミスは、トップやダフリです。これらのミスを防ぐためには、ヘッドアップを避け、インパクトまでしっかりとボールを見続けることが大切です。また、下半身を安定させ、上半身だけで打とうとしないことが重要です。下半身がしっかり安定していると、ボールをしっかりと捉え、精度の高いショットを打つことができます。


■効率的な練習方法
 アプローチショットを向上させるためには、まず距離感を養う基礎練習を行いましょう。練習場で的を設定し、同じ距離から繰り返し打つことで、その距離感を体に覚え込ませます。的に当たった球の数を記録し、徐々に成功率を上げることで、確実に進歩を感じることができます。また、フェアウェイやラフ、バンカーなど、様々なライから練習することも重要です。特にアップヒルやダウンヒルなどの傾斜からのショットを練習しておくと、実戦での対応力が身につきます。一般的な練習場ではこのような練習は難しいですが、例えばショートコースなどを利用し、スコアにこだわらず敢えてグリーンを外して、このようなライからグリーンを狙う練習も効果的です。



■プレッシャーへの対処法
 試合中や重要なホールでプレッシャーを感じることは、私たちにとって避けられないことです。緊張から普段通りのショットが打てないことがありますが、そのような状況においても冷静さを保つことを心がけています。まず、深呼吸をして心を落ち着かせ、プレッシャーに押しつぶされないようにしています。また、ルーティンを意識的に行うことで普段通りのリズムを取り戻し、冷静なショットを打つことが可能だと考えています。


◇練習の成果を測定しよう
 練習の際は、1打1打の結果を記録することが効果的です。自分の距離感やミスの傾向を把握することで、より効率的な練習が可能になります。また、プレッシャーを感じる状況を模倣し、目標を設定して練習することも重要です。例えば、「10回中7回以上ターゲットエリアに入れることができるまで練習する」といった具体的な目標を設定することで、実戦でも冷静にショットを打てるようになります。


◇最終的な目標
 最終的な目標は、どんな状況でも自信を持ってショットを選択し、実行できるようになることです。この目標を達成するには時間と努力が必要ですが、ショートゲームを磨くことで、ゴルフの醍醐味をより一層深めることができます。確実なアプローチショットの技術を身につけ、ゴルフをより楽しんでください。

*****Profile*****
中西 風香(なかにし ふうか)
Instagram @fuuchangolf
 2000年1月18日生まれ、大阪府出身。父の影響で8歳からクラブを握る。近畿大学ではゴルフ部の主将も務め、チームを牽引。技術だけでなく、リーダーシップも発揮し、周囲からの信頼も厚い。現在はプロテスト合格を目指しながらも、人気ゴルフ番組に数多く出演し、その明るく親しみやすいキャラクターで多くのファンを魅了する。得意クラブはピッチングウェッジ。

「心斎橋ゴルフスタジオ」


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