「特別企画」ODC編集部
今、考える!シニア世代のための「住まい」とは?


【後編】今、注目の高齢者向け「民間施設」とは

 高齢化が進む日本社会において、シニア世代の住まい選びはますます多様化しています。前編(No.27・7月号)では、「さまざまなシニアのための住まい」について公的介護施設を中心にそれぞれの特徴をお話しましたが、後編では「民間施設」についてお話していきます。
 「民間施設」の中でも注目されているのが、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」と「シニア向け分譲マンション」です。いずれも高齢者が安心して暮らせる環境を提供することを目的としていますが、その内容やサービス、費用面には大きな違いがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、シニア世代の住まいとしてどのような選択肢があるのかを考察していきます。

「サ高住」とは?<正式名称>サービス付き高齢者向け住宅

こんな人に向いている
●自立生活を続けたいが、見守りや緊急対応が不安な方
●在宅では生活に不便を感じているが、施設に入るには抵抗がある方

選び方のポイント
● スタッフの対応力・介護事業者の質
● 施設のバリアフリー設計や共用スペースの使いやすさ
● 月額費用とサービス内容のバランス
●近隣の医療機関との連携状況





「シニア向け分譲マンション」とは?

こんな人に向いている
●まだまだ元気で自立した生活を楽しみたい人
●将来にわたって住まいを資産として持ちたい人
●同世代と一緒に安心して暮らしたいが、自由度も重視したい人
●自宅のような感覚で広めの間取りや設備にこだわりたい人

選び方のポイント
● 将来的な介護への備え(訪問介護が利用しやすいか)
● 管理組合の運営体制(高齢化で維持できるか)
● 立地(買い物や病院へのアクセス)
●災害時の安全性やバリアフリーの整備状況






「サ高住」と「シニア向け分譲マンション」のまとめ





どちらにしても共通して考えるべきこと
● 将来の介護・医療ニーズの変化への対応力
● 家族との距離感(支援が必要になった時にどうするか)
● ペット可否・車の利用可否など、ライフスタイルとの相性
●見学・体験入居の機会を活用して実際の暮らしを体感する

 どちらが「正解」というより、ご自身の今の暮らし方と、将来の安心への備えをどう考えるかが大切です。今元気でも、将来介護が必要になるかもしれない。その時に備えたい人は「サ高住」元気なうちに快適な住環境を整えて生き生きと暮らしたい人には「シニア分譲マンション」が合うかもしれません。

最後に

 ここまでシニアの住まいについてみてきました。最後に全体のまとめです。(下記表を参照)


 新しい住まいは、第二の人生を彩る大切なパートナーです。安心と快適さ、そして楽しみが共にある場所で、これからの毎日をもっと豊かにしていきたいものです。あなたにぴったりの「終の棲家」を、ゆっくり丁寧に見つけていきましょう。