夢に向かってひたむきに努力を続ける選手が、ゴルフの基本をレクチャー。
初心者ゴルファーはもちろん、ベテランゴルファーも基本に立ち返ることで、
壁を乗り越えることができるはず!基本をマスターして迷宮を抜け出しましょう!

フェアウェイウッドの基本


皆さん、こんにちは。宮田志乃です。今回の誌上レッスンでは、USGTFティーチングプロの資格を持つ私が読者の皆さまのゴルフのお悩みを解決していきます。

レッスンをしていると、アマチュアの皆さまの代表的なお悩みのひとつに、「フェアウェイウッドが上手く打てない」という声をお聞きします。たしかにフェアウェイウッドは一般的に芝の上から直接打つクラブの中で最も長く、そのためミート率が低くなり、ミスショットにつながる要素はふんだんにあります。でもフェアウェイウッドを上手く打てるようになれば、キャリーとランで距離を稼げて、長いパー4やパー5での攻略がとても楽になりますよね。皆さまにもっと簡単に楽に飛ばせるフェアウェイウッドの打ち方をレクチャーしていきますので、ぜひご参考にしてください。



フェアウェイウッドを使用するシチュエーション


どのクラブでもそうですが、そのクラブを打ちこなすのに必要なセオリーというものがあります。まずフェアウェイウッドを使用するシチュエーション。3番ウッドの平均飛距離は男性で205ヤード前後、女性で165ヤード前後といわれており、飛距離を出しやすいのがフェアウェイウッドの最大の武器なので、当然パー5のセカンドショットや、ティショットをミスしたあとの挽回ショットなど、距離を稼ぎたい場面で握ることが多いと思います。但し、アベレージゴルファーのフェアウェイウッドが使えるシチュエーションはかなり限定されています。フラットでボールのライが良い場所。つまり打球練習場のマットの上のような場所にボールが止まった場合のみです。いくらフェアウェイの真ん中だったとしてもボールがディボット跡に止まったときや、傾斜地などではフェアウェイウッドは避けて、ユーティリティクラブやアイアンを持った方が賢明です。またラフでもフラットで、ボールがあまり沈んでいないようでしたらフェアウェイウッドの使用もOK。「飛距離が残ったからフェアウェイウッドを持つ」ではなく、フェアウェイウッドを持ってもクリーンヒットできる状況なのかどうかをしっかりと見定め、「これならフェアウェイウッドで大丈夫!」と判断できた場合のみ、使用することにしましょう。


ボールの位置はドライバーとほぼ同じか、やや右


フェアウェイウッドを使用しても大丈夫なシチュエーションにボールが止まっていれば、そのショットに集中して、ナイスショットを目指しましょう。まずボールの位置です。番手にもよりますが、3番ウッドなら左脇の下あたりが基準になります。ドライバーとほぼ同じくらいかやや右側。基本的にクラブヘッドの最下点がそのクラブのボールの位置になりますので、フェアウェイウッドは、ミドルアイアンよりも左にボールを置くということになります。ミドルアイアンと同じような中央寄りにボールを置いている方もいますが、それではクラブヘッドの最下点よりもさらに右側にボールがあることになりますので、ボールを捕らえてもヘッドが返りきらずにスライス。スライスを直そうと、手でがんばってヘッドを戻してこようとすると、引っ掛け、いわゆるチーピンを誘発します。さらに窮屈なスイングとなってしまいますのでトップやダフリのミスショットになるケースも増えてしまいます。




スイングのイメージは払い打ちではなく、打ち込んでいくイメージ

次にスイングに入ります。スタンス(足幅)は肩幅と同じらいかやや広め。ドライバーのスタンスよりも右足を半歩ほど内側に狭めます。


フェアウェイウッドのスイングのイメージとしては、アイアンショットのようにごく自然に打ち込んでいく形。とはいっても、フェアウェイウッドはクラブ自体が長く自然と払い打ちのようになります。レッスン書などでは「フェアウェイウッドは払い打ちのイメージで」なんていわれますが、もともと長さのあるフェアウェイウッドはスイング軌道がフラットになりやすいので、あまりにも払い打つ意識が強すぎると、引っかけやフックといったミスにつながりやすくなります。また肘と手首が伸びてしまって、身体が起き上がり、トップやダフリのミスにもつながります。スイング中は意識を持たず、自然体で、ソールが芝の上を滑るような感覚で打つようにしましょう。スイング軌道はややフラットになるため、インパクト時のクラブヘッドの入射角はゆるやかになります。アイアンショットと同じ打ち込んでいく形ではありますが、クラブヘッドがゆるやかな角度で下りてくるというイメージです。またフェアウェイウッドのソールはアイアンよりも幅広く、フラットなライならソールを滑らせて打つことできます。ただ敢えてソールを滑らせようとスイングしてしまうと入射角がゆるやかになりすぎて、いわゆるすくい打ちとなってしまいます。すくい打ちになると、インパクト前にソールが地面に触れて跳ね返されやすく、ミスショットにつながります。ソールを滑らせるのはボールの手前からではなく、ボールを打った後という意識を持ちましょう。そうすることによりアイアンショットに近い感覚で上からボールをとらえることができ、7番アイアンのショットに近い感覚で飛距離・球の高さともに理想的なボールが打てるようになるはずです。








フェアウェイウッドの練習方法


Lesson.1 ハーフスイング練習
最も効果的であろう練習方法が、このハーフスイング練習です。この練習はフェアウェイウッドに限らず、どのクラブにも有効なのですが、クラブを3時〜9時、つまり右腰から左腰の高さの間でスイングする練習です。フェアウェイウッドのポイントはいかに正しくボールをミートできるかにありますから、このハーフスイング練習を重ねてミート率向上に取り組みましょう。フェアウェイウッドでハーフスイング練習をすることにより、すくい打ちではなく打ち込んでいくイメージを身体で覚えることができますので、特にフェアウェイウッドを苦手にしている方におすすめです。


Lesson.2 ティーアップ練習
芝の上から直接打つフェアウェイウッドのショットに苦手意識を持ってしまっているアマチュアゴルファーの方は少なくありません。確かに難易度の高いショットではあります。それによって、フェアウェイウッドを食わず嫌いにしている方もいらっしゃるでしょう。そういった方は練習場で低めのティーの上にボールを置いて、ティーアップした状態でボールを打ってみてください。もちろんティーアップすることでボールは格段に打ちやすくなりますから、この練習を重ねることでフェアウェイウッドへの苦手意識を払拭させるわけです。それだけでなく、実際のコースでもティーアップに近いような芝にボールが浮いた状態なら自信を持って打てるようになるはずです。




Lesson.3 ハイティーアップ練習
低いティーで練習を重ね、フェアウェイウッドに苦手意識がなくなれば、次にティーを高くして打ってみてください。ドライバーでのティーと同じくらいの高さです。フェアウェイウッドのフェース面は薄く、ボールが上がりやすい形状になっていますので、ティーを高くして打つと、なかなかボールを芯でとらえられません。クリーンに打つには上にも下にもインパクトが逸れないように打つ必要があります。ハイティーアップでミート率を上げることで、一定のスイングアークを身につけることができるはずです。アドレスの際はクラブヘッドをボールと同じ高さに浮かした状態で、フラットに振る感覚でスイングしましょう。





***** Profile *****
宮田 志乃(みやた・しの)

1990年8月3日、京都府生まれ。10歳からゴルフをはじめ、近畿大学在学中の2011年関西学生女子連盟杯で優勝を飾るなどアマ競技で活躍、さらに在学中にプロトーナメントにも出場し、ゴルフの実力とその美しさで一躍脚光を浴びる。キュートなルックスもありメディア露出は多数。そのルックスとは裏腹に167㎝の身長と全身を使った豪快なスイングから繰り出すドライバーショットは275ヤードというロングヒッター。2022年1月に開催された「第7回ライジングレディースカップ」では見事、優勝を飾る。USGTFインストラクターの資格を取得、レッスンにも定評。
さらにIBMA認定パーソナルストレッチトレーナーでもあり、ストレッチ理論にも精通する。