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ミスショットの改善 ~テンプラ編~
みなさん、こんにちは。松原果音です。今回の誌上レッスンでは、打った瞬間からボールが高く舞い上がってしまい、飛距離を出せないミスショット〝テンプラ〟についてご紹介いたします。
〝テンプラ〟というミスは、和食の王道である「天婦羅」に由来するのは言うまでもありませんよね。揚げ物である天婦羅の「揚げる」と、ボールを高く「上げる」をかけた呼び名です。インパクトの際、ドライバーヘッドがティーアップしたボールの下に入り込むことで、フェース上部からクラウンあたりにボールがヒットして生まれるミスショット。ときにはクラウンにボール跡がくっきり残ることもあり、正直、お料理の天婦羅は大好きですが、ゴルフのテンプラは大嫌いです(笑)。滞空時間が長いだけに、スライス回転やフック回転が掛かってしまうと、曲がり幅も大きく、そのままOBの可能性も秘めており、とりわけビギナーゴルファーから中級者が陥りやすく、なかなか抜け出せず悩んでおられる方も多いのではないでしょうか。
テンプラが出てしまう原因とは・・・
打った瞬間からボールが高々と舞い上がるテンプラ。これだけ高くボールが上がるのだから、下から上にアッパーで打ったことで出るのではないか・・・とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。発生原因はその反対。テンプラはダウンスイングで上から下に打ち込むことで、クラブヘッドがティーアップしたボールの下に入り込んでしまい、フェースの上面やクラウンに当たり、ボールは前方ではなく、真上方向に飛び出してしまうというのが真相です。
ではなぜ、上から下に打ち込んでしまうか。それはダウンスイングで身体が左方向に突っ込んでしまい、アウトサイドインの軌道になっているからです。ドライバーショットでのアウトサイドインはスライス回転になりやすいだけでなく、上から下へと鋭角にヘッドを打ち込む形になります。さらに身体も左に突っ込みやすくなるという弊害が生まれる軌道です。アイアンショットの場合は「ダウンブローが基本」といわれ、ヘッドを鋭角に下ろし、ボールを上から打ち込むことで、バックスピンがかかり、グリーン上で止めやすくする効果があります。中にはアイアンでのダウンブローのクセが、ドライバーでも残ってしまっているという方もおられるかもしれません。
アイアンと同じようにドライバーをダウンブローで打とうとすると、アウトサイドインの軌道でヘッドが鋭角に下りやすく、テンプラになる可能性が高まります。ドライバーショットに関しては、ややアッパーブローに打つのが基本となります。
■リバース・ピボットも原因に
リバース・ピボットという体の動きをご存じでしょうか。リバース・ピボットとは、バックスイングで軸が左に傾き、ダウインスイングからインパクトにかけては、右足に体重が乗ってしまうという動きで、見た目もかっこのいいものではなく、間違ったスイングの動きとなります。よく「ギッコンバッタン」と表現されることもあるのですが、リバース・ピボットの動きをすると、概ねダウンスイングでクラブヘッドがアウトサイドから下りてきます。このアウトサイドインの軌道により、テンプラを誘発することがしばしば見られます。
■ティーアップが高すぎる
先述しましたアウトサイドインの軌道で鋭角にヘッドを打ち込むこと以外にも、原因はあります。それはティーアップが高すぎるというものです。いくらドライバーをアッパーブローの軌道で打ったとしても、ティーアップが高すぎては単純に正しい打点でボールを捕らえられず、クラウンあたりにヒットしてしまいます。これはティーの高ささえ低くすれば解決するミスですので、大きな問題ではありません。
ドライバーのティーの高さの基本は、構えた際にボールの半分くらいがヘッドから出るくらいの高さ。これくらいに抑えてみるといいでしょう。それでも高いティーで打ちたいという方は、アドレスの際にヘッドを地面につけず、地面から浮かせた状態で構えると、テンプラ防止につながるケースもあります。
またティーの高さが低すぎるのも問題ありで、ティーが低いと上から打ち込みたくなる心理が働くケースもあります。飛距離も出せませんし、アウトサイドインの軌道によって、スライス回転が掛かってしまうこともあります。やはり適正な高さをおすすめします。
■テンプラを防ぐには
先ほどテンプラになってしまう原因は、ダウンスイングで身体が左に突っ込んでしまい、アウトサイドインの軌道になっているからとお伝えしました。では、このエラーを防ぐにはどうすればいいでしょうか。体の左に体重を掛け、打ち込んでしまっているわけですから、左に体重を掛けるのではなく、右足を軸にして打てばいいわけです。右足を軸にすれば打ち込むことはまず不可能ですし、アッパーブローの軌道にもなりやすいはずです。
さらに強制的に右体重で打つには、左足のかかとを上げた状態でスイングする練習をしてみてください。左足かかとを上げて、かかとが地面に着かないようにしておけば、自ずと右足体重で回転して、右側を軸にして打てるようになるはずです。
■リバース・ピボットを防ぐ
先ほどご紹介しましたリバース・ピボットですが、自分がリバース・ピボットになっているのかどうか、なかなかわかりづらいと思います。一番手っ取り早いのは、スイング中、トップで体の動きを止めてみることです。トップで一旦動きを止めてみて、左足を少し浮かせてみてください。抵抗なく左足が上がれば、リバース・ピボットではありません。でも左足に体重が掛かっていて、容易に上げることができなければ、リバース・ピボットといってもいいでしょう。
もしご自身がリバース・ピボットになっているようでしたら、矯正するためにトップで極端に右足に体重を乗せてください。スエーしていると感じるくらいでも大丈夫です。感覚としては右腰をさらに右側へと持っていくくらい。これに慣れてくれば、体の右側を軸にしてスイングできるようになるはずです。
一旦動きを止めてみて、左足を少し浮かせてみよう。
■スイングを3分割に
リバース・ピボットのもうひとつの防止策として、スイングを三分割して確認するという方法もあります。リバース・ピボットになる原因として、スイングの勢いに体を預けてしまうということがあります。クラブを上げる反動に合わせて軸を移動させてしまうことで、トップのポジションが左足体重になってしまい、リバース・ピボットになってしまうケースです。これを防止するために、スイングを3つのポジションに分けて、一旦止めてみましょう。
下記の1⃣アドレスからハーフウェイバック、2⃣ハーフウェイバックからトップ、3⃣ダウンスイングからインパクト、の3つのポジションに分けて体の動きを止め、軸を確かめてみてください。それぞれ一旦動きを止めることで、クラブの反動で体を動かすことができなくなりますし、右足体重の正しい重心の位置も把握できるようになるでしょう。
■右後方から斜めに構える
リバース・ピボットを防ぐためにスタンスをつくる際、右足を軸にして、まず右斜め後方からボールを見るように構えてみます。ドライバーのような長いクラブになればなるほど、ボールをセットする位置が左側になるため、右側に傾く傾斜がより強くなるはずです。
アドレスでつくった軸をキープし、テークバックからインパクトまで、右足の軸を意識しながらスイングしましょう。ただし、極端に右肩が下がりすぎると、ダフリやトップ、スライスの原因にもなりますので、注意してください。
*****Profile*****
松原 果音(まつばら かのん)
1999年7月3日生まれ。大阪府出身。小学生の頃にゴルフをはじめ、名門・香川西高等学校卒業。高校卒業後はプロテスト、QTに挑戦。すらりとした長身から放つドライバーを武器にプロテスト挑戦中。「ライジングレディースゴルフTV」などの番組にも出演し、美人ゴルファーとして人気急上昇中。